船員教育機材
船舶事故の約8割がヒューマンファクターに起因しており、国際的な船舶運航の安全基準強化の動きを受け有資格の船員需要が高まっております。日本海洋科学では開発途上国の船員教育機関に対して操船シミュレータなどの船員教育機材の設置計画支援や開発途上国の船員に対するシミュレータ訓練などを提供しております。
- 船員の資格に関する国際基準は「1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(STCW条約)」で規定され、同条約に基づき、条約加盟国政府は規則に合致した船員教育・訓練の実施により有資格船員の育成と共に、船員教育訓練機関を運営または監督し資格証明書の発給等を行っています。
STCW条約に則り、多くの国の船員教育機関では教育訓練が実施され、内外航船員を輩出していますが、先進国においては自国の船員数は減少傾向にありコストの安い外国人船員の雇用が中心となっています(我が国商船隊では95%が外国船員、内75%がフィリピン人船員)。一方で船舶事故の約8割が人的なミス(ヒューマンファクター)に起因すると考えられ、国際的な船舶運航の安全基準の強化の動きを受け有資格の船員需要が高まっています。このため開発途上国の船員育成への支援が求められており、日本海洋科学は各国の船員教育機関に対して操船シミュレータを始めとする船員教育機材の設置や開発途上国の船員(トレーナー含む)のシミュレータ訓練などを実施しています。
途上国の船員教育機関の教育訓練 1
ODAによる途上国向け船員教育機材計画
船舶の技術は日々進歩し、STCW条約要求も厳格化される中、開発途上国の多くの船員教育機関では十分な教育機材も無く、古い教本のみで教育を行い修了証書を発行している場合もあり、船員の能力に疑問が抱かれるケースも見られます。そのため、ODAによる船員教育事業では、主に船員教育施設の建屋・操船/機関/貨物シミュレータ・ECDIS・GMDSSなどの教育機材や救命艇・高速艇などの安全訓練機材の設置または更新などが計画されます。
日本海洋科学は、開発途上国の船員教育機関に対し、規則要求と要望レベルに合わせ各種教育機材仕様の作成のための調査及び事業者選定支援・施工監理を行い、開発途上国における有資格船員育成を支援いたします。
途上国の船員教育機関の教育訓練 2
途上国船員のシミュレータ訓練等の実施
開発途上国の船員教育訓練機関では教員・教官の数が不足しており、さらには教官自体の資質・能力・知識が不十分な場合もあり、STCW条約に合致した教育訓練が実施できる教官の育成が急務となっています。
船員資格を得るためには一定期間の乗船実習が義務付けられていますが、開発途上国の場合は専用の訓練船が無く、商船に依頼して乗船実習を実施していますが、これでは十分な教育が出来ず、また受け入れ可能な商船の数も限られています。
日本海洋科学は、ODA事業の一部として自社のシミュレータなどを用いた各種訓練を提供しており、インドネシア教育訓練庁傘下の船員教育機関などへの支援実績を有しております。
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