航行安全・防災対策
港湾における安定した物流の確保と海洋汚染防止には、水域を利用するすべての船舶が安全に利用できる環境であることが不可欠です。特に大型船舶の事故は、岸壁の不稼動や油の流出などによる環境汚染、漁業への影響など、その影響は甚大なものとなります。
日本海洋科学は、創業以来、港湾及び水域の安全な利用に向けて調査ならびに評価を行い、安全対策の検討などに携わってきました。
- 船舶による衝突や乗揚げなどの海難事故が発生すると、燃料や石油・LNGなどの液体エネルギー貨物の流出による海洋汚染、揮発性液体貨物の放出や貨物火災による大気汚染などを引き起こし、自然環境や生態系に及ぼす影響は甚大なものとなります。さらに、漁業など海洋利用者への損害賠償、船舶交通や船舶輸送に伴う物流への波及影響も大きく、社会に及ぼす影響は計り知れないものとなります。
そのため、如何なる港においても海難事故が起こらないよう、船舶を安全に受け入れ、船舶を含むすべての港湾利用者が安心して利用できるような岸壁施設・水域施設の計画や整備、安全対策の策定が重要となります。
日本海洋科学では、港湾の岸壁施設・水域施設の調査をはじめ、操船・係留における安全性などについても操船シミュレーション・係留動揺シミュレーションなどの科学的手法を用いて評価し、安全・安心な港湾に必要な支援・運用基準策定・ガイドライン策定などのソフト面での対策、施設改良案などのハード面での対応について、ご提案いたします。
大型船舶の入出港操船・航行安全対策
近年、コンテナ船やクルーズ客船をはじめ、日本に寄港する船舶は益々大型化する傾向にあります。しかしながら、一方で、国内の港湾施設は、岸壁改良、水域の増深などその整備には長い期間と多くの費用が必要となるため、船型の大型化に港湾整備が間に合わず、現状の港湾施設において従来よりも大きな船舶を受け入れざるを得ない実情があり、航行安全上の懸念が生じています。
日本海洋科学では、このような問題に対し、操船シミュレーションや係留動揺シミュレーションなど科学的な手法により、操船上のリスクや係留施設における係留限界などを定量的に評価し、既設港湾施設においても大型化した船舶を安全に受け入れるための対策や基準作りについてサポートいたします。
危険物専用桟橋の海上防災対策(津波対策等)
危険物専用桟橋に係留するタンカーやLNG船などは、引火性の高い貨物を取り扱っているため、より厳しい安全基準で運用されていますが、危険物専用桟橋自体も、東日本大震災を契機に地震津波が発生した際の防災及び減災に係わる対策が検討されてきました。
日本海洋科学では、津波来襲中の予想流況下おける係留継続可否、係留強化対策などについて、係留動揺シミュレーションから評価検討すると共に、地震発生後に荷役を中止して緊急離桟を行う際に限られたタグボートの支援の下で安全に離桟し港外退避するための操船方法を操船シミュレーションにより検討し、津波来襲時における判断・行動基準を示したガイドライン策定などの取り組みをサポートいたします。
港湾インフラ整備に係る航行安全対策
海上における空港建設・橋梁建設・埋め立て工事、また、近年では再生可能エネルギーとして注目されている洋上風力発電関連施設の建設など、海上に新たな施設の建設工事が行われる際には、海上工事・施設の設置が航行船舶に対して与える影響を事前に評価し、海域の安全を確保するための対策などを検討する必要があります。
日本海洋科学では、船舶航行実態調査などにより海上交通の実態を把握し、施設共用後の交通環境をシミュレーションにより予測、航行環境の安全性を評価いたします。また、操船への影響が懸念される場合は操船シミュレーションにより将来交通環境下での操船安全性を評価し、海域を安全に利用するために必要な対策などをご提案いたします。
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